有害成分が海を汚しているって知ってる? 安心安全な「日焼け止め選び」6つの新ルール

日焼け止めとサンゴの白化に因果関係、知っていますか?

日焼け止めとサンゴの白化に因果関係があったなんて、これまでほとんどの方が知らなかった事実だろうと思います。もちろん、日焼け止めだけでなく、サンゴ礁の消滅には、地球温暖化による海の水温上昇も多いに影響しています。いまこの地球で起きているさまざまな異常のことを思うと心が痛むばかりですが、人間が汚してしまった環境は、人間にしか救えない。だからこそ、私たちにできることに目を向けていきたい……これからの日焼け止め選びも、そのひとつだと思います。

SNSが賑わいを増して、「インスタ映え」も流行する昨今ですが、その反面で、海の現場からはちょっとした悲鳴も多く聞かれるようになりました。たとえば沖縄などのサンゴ礁の海では、「ビキニで泳ぐ写真を撮りたい、でも日焼けは絶対にしたくない!」と、全身にたっぷり日焼け止めを塗って海に入る人たちが急増。そこで溶け出す日焼け止めの化学薬品がサンゴを弱らせ、白化現象を加速させているように感じている方々もいます。サンゴに有害な成分が含まれる日焼け止めは市場にたくさん溢れているなか、これからの海と自分をやさしく思いやるために、以下6つのルールに気をつけてみましょう。日本はとくに、オーガニック規準が曖昧なように、日焼け止めについても表記や内容に曖昧な部分も多く、正しい知識で使うものを見極めてみてください。

ルール①「紫外線吸収剤」やケミカルは避けよう

ハワイ州などで規制が始まる「オキシベンゾン」「オクチノキサート(メトキシケイヒ酸エチルヘキシル)」は、どちらも紫外線吸収剤。ですが、これさえ避ければ、ではなく、「紫外線吸収剤」にあたる成分はどれもアレルギー反応やホルモン異常などの人体への悪影響、海洋環境にも刺激の強い化学物質です。ベンゼンの一種でも名前が異なるものもあり、「ノンケミカル」と書かれた製品でも、紫外線吸収剤は使っていないけれど、その他の化学薬品が使われていることも。化学物質はどれも自然には分解されない「不自然」なもの。できればケミカルフリーな製品を選べるとベストです。

ルール②天然由来の「紫外線散乱(反射)剤」を

安心して愛用できるものは、ミネラル由来の「紫外線散乱(反射)剤」が使用されているものがオススメです。化学合成物質である紫外線吸収剤と違って、こちらは鉱物を原料にしている天然成分。これは鏡のように膜を張って紫外線を反射させるシールド機能を果たしてくれ、「酸化チタン」「酸化亜鉛(ジンク)」などが主流です。

ルール③「ナノ成分」は海にも肌にもNG

パウダーやスプレータイプなどでよく見かけるようになった「ナノ成分」。肌への密着度を高めて「落ちない」を叶えるるために超微粒子化された「ナノ成分」ですが、サイズは毛穴よりも小さな極小粒子なので、肌から経皮吸収されるなどの危険性が指摘されています。もちろん、海洋環境や生き物にとってもNGなので、「ノンナノ」タイプを選びましょう。また、最近は便利なスプレータイプの日焼け止めが増えていますが、こちらも粒子が細かく、体に吹きかけるときに海やビーチに飛び散って環境を汚すことにもなるので、スプレータイプも使わないように。

ルール④SPF値=紫外線防御力&刺激のバロメーター

日焼け止めを選ぶとき、一番の指針といってもいい「SPF値」や「PA値」。SPFは「Sun Protection Factor」の略、短時間で肌に赤みや炎症を招くUVB(紫外線B波)を防ぐ効果指数のことです。肌が赤くなるまでには個人差がありますが、「20分後に赤くなる=1」として、SPF10では20分×10=200分(3時間20分)、SPF30では600分(10時間)効果が持続するとされます。ただ、SPF値が高ければ高いほど、お肌にも海にも刺激が大きくなるのも事実。そのため、紫外線対策先進国のオーストラリアではSPF30以上の表記が禁止になっていて、日本でもSPF50以上の表記が禁止されました。3時間はまだしも、10時間も海にいることはほとんどないはず。SPF値の高さで選ぶより、お肌と海に安心なもので、必要なら塗り直すような使い方をオススメします。

ルール⑤「ウォータープルーフ」でも水に溶ける

海で遊ぶときは水や汗に強い「ウォータープルーフ」タイプを選ぶはず。ですが、この「ウォータープルーフ」も日本では自社基準で、表記も自由となっています。実際に「ウォータープルーフ」と書かれた日焼け止めでも、こすったら落ちるもの、指につけてコップの水に浸しておくとそのうち溶け出して水がベトベトしてくるものなど、水耐性がどの程度あるものかはグレーな部分も。「ウォータープルーフ」であっても時間が経てば海に流れて海や砂浜を汚してしまうことも気に留めて、環境にやさしい成分を選んでいきましょう。

ルール⑥日焼け止めをなるべく少なく!

女性はとくに、顔だけは日焼け止めがマストでも、体は塗らない工夫すれば、使用量もぐっと減らせます。ラッシュガードや海用レギンス、帽子やタオルなどで日焼けを予防したり、衣類で防ぐ工夫もプラスして。これからは日焼け止めを塗る面積をなるべく少なくする心がけを、ぜひ! もしくは、海が大好きだからこそ小麦肌に誇りを持って、日焼け止めを使わない選択も潔くてカッコイイかもしれません。

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